高齢化社会が進行する中、老前整理や生前整理への関心が高まっています。

どちらも老後や最終局面に備え、身の回りを整理する取り組みのことです。

老前整理と生前整理は似た意味合いを含みますが、違いはどこにあるのでしょうか。

この記事では、老前整理、生前整理、両者の違いを解説していきます。

老前整理と生前整理の違い

老前整理と生前整理は、どちらもいずれ訪れる老後や人生の最終段階に備えるための片づけです。

ただし、目的や時期、作業範囲などに違いがありますので以下に解説します。

目的の違い

・老前整理：自分の老後の生活をより快適にするために行う整理

・生前整理：自分の死後、残された家族に迷惑をかけないように行う整理

老前整理は、老後の暮らしを快適にするために行う片づけです。

一方、生前整理は死後に残される家族への迷惑を軽減するための片づけです。

相続手続きや遺産分割で混乱が起きないように、書類や財産を整えておく意図が強まります。

時期の違い

・老前整理：40代や50代など比較的若いうちから始められる

・生前整理：死を意識し始めた時期や高齢になってから行うことが多い

老前整理を40代や50代といった比較的若い時期から始める人も珍しくありません。

いつからを老後とするのかの判断は、個人個人で違うからです。

早期に準備すれば、余裕のあるペースで不要品を減らしつつ、環境を整えられます。

まだ体力に余裕がある年齢で始められるため、時間を気にすることなく余裕を持って進められます。

一方、生前整理は自分の死を意識し始めた頃や、高齢になってから進めるケースが多いです。

死と向き合う必要があるため、心理的負担が大きい場合があります。

対象となる範囲の違い

老前整理：主に身の回りの物や日常生活に関わるものの整理

生前整理：財産や相続に関する書類、遺言書の作成なども含む

老前整理は、主に身の回りの持ち物や、生活に密着した品を整理します。

古い家電を処分したり、収納を見直して動きやすい部屋づくりを進めたりといった作業が中心です。

また、重要書類の整理や、思い出の品の取捨選択も行なったりします。

生前整理はさらに重要となる財産や相続関連の書類、預貯金や不動産情報なども含む場合が多いです。

死後の手続きで関係する書類を、家族がすぐ把握できるよう準備を整えます。

老前整理と生前整理の作業内容

老前整理：不要品の処分、生活空間の整理、健康管理など

生前整理：遺言書やエンディングノートの作成、相続対策など

老前整理は、不要品の処分や生活空間の簡素化などを行います。

普段使っていない衣類や趣味用品などを手放しながら、今後の生活を身軽にしていきます。

生前整理はそれらに遺言書の作成やエンディングノートの用意、相続対策などが加わります。

財産を引き継ぐ際のトラブルを減らすために、早い段階から書類を整備する人も少なくありません。

実際の進め方とポイント

老前整理を始めるときは、現在の住環境をくまなく見渡し、あまり使わない家具や道具類を減らしていきます。

このとき、思い切って断捨離を行うことが重要です。

使わないものをもったいないからと残していては、老前整理をする意味がなくなってしまいます。

必要な場面では専門業者に頼んだり親族に声をかけたりして、不要品の処分を円滑に進めましょう。

生前整理は、不用品の整理やエンディングノートなど個人だけで進められるものもありますが、法的手続や資産分配を視野に入れて専門家と相談してみるのもよいでしょう。

遺言書の作成、預貯金や株式などの金融資産整理、デジタルデータの管理、賃貸契約の見直しなどを段階的に済ませていきます。

どちらも不用品が多数出て処分に困ることがありますが、そのようなときは不用品回収業者に任せるとスムーズに行えます。

まとめ

老前整理は、老後の暮らしを快適にするための準備であり、どちらかといえば自分のためにする整理です。

生前整理は自分の逝去後を見据え、相続や遺品整理の家族に対しての負担を和らげる取り組みといえます。

どちらも人生後半の準備のために行いますが、目的や手順にわずかな違いがあります。

老前整理で生活基盤を整えておくと、生前整理に移行しやすくなります。

老前整理も生前整理も必ずしなくてはいけないことではありませんが、少しずつ準備をしておくことで納得いく老後が過ごせるようになるでしょう。

「ジャンボコアラ」には、遺品整理士認定協会の地域会員が在籍しており、遺品整理のプロとして協会HPに優良企業として認定されています。

これから遺品整理を行おうと検討している方は、お気軽にお問い合わせください。