遺品整理では、宗教物の扱いに悩む場面があります。

何となく怖さを感じたり、雑に処分したら罰が当たるのではないかと不安になったりして、なかなか手をつけられないという方も少なくありません。

処分してよいのか判断に迷った結果、そのまま放置されているケースもあります。

この記事では、宗教物の種類ごとに適した処分方法を紹介します。

宗教物の処分方法

宗教物の処分には、大きく分けて2つの選択肢があります。

1つ目が、自分で適切な供養を行った上で処分する方法です。

2つ目は、専門の遺品整理業者に依頼する方法です。

どちらにしても、宗教物には「魂抜き」や「閉眼供養」といった宗教的な儀式が必要な場合があることを理解しておきましょう。

これらの儀式は、宗教物に宿るとされる神仏の魂を抜く、あるいは眠らせるという意味があり、処分前の重要な手続きとなります。

自分で処分する方法

仏教関連の宗教物

仏教関連の宗教物は、日本の遺品整理において最も多く扱われるものです。

仏壇、位牌、仏具、数珠、経本など、種類も多岐にわたります。

仏壇の処分を行う際には、閉眼供養（魂抜き）を行うことが仏教の慣習となっています。

閉眼供養とは、仏壇に宿るとされる仏様の魂を抜く儀式です。

菩提寺がある場合は、菩提寺に依頼して閉眼供養を行います。

菩提寺がない場合や遠方にある場合は、近隣の同じ宗派の寺院に相談することになるでしょう。

閉眼供養が終わった後の仏壇本体は、仏壇店での引き取り、粗大ごみとしての処分、遺品整理業者への依頼などの方法で処分します。

仏具については、真鍮製の花立てや香炉などは金属として、木製の物は可燃ごみとして処分できます。

位牌は故人の魂が宿る依代とされ、継承者がいる場合は、その方に引き継ぐのが基本です。

住宅事情などで難しい場合は、寺院に位牌を預けて供養を続けてもらう永代供養という選択肢もあります。

また最近では、複数の位牌を一つにまとめる「繰り出し位牌」への作り替えや、写真と戒名を記録したデジタル位牌への移行というのも流行っています。

神道関連の宗教物

神道関連の宗教物には、神棚、お札、お守り、しめ縄、神具などがあります。

処分する際は神社に相談するのが基本です。

神道では「お祓い」や「昇神の儀」といった儀式を通じて、神様にお帰りいただくという考え方をします。

神社によっては引き取ってもらえる場合もありますが、自分で処分する必要がある場合もあります。

お札やお守りなど小さなものは、白い紙や布で包んで一般の可燃ごみとして処分できます。

神棚本体は大きさによって粗大ごみになることもあるため、自治体のルールを確認しましょう。

キリスト教関連の宗教物

キリスト教関連の宗教物には、聖書、十字架、ロザリオ、聖画、聖像などがあります。

キリスト教では、仏教や神道のような供養という概念はありませんが、信仰の対象として大切にされてきたものであることに変わりはありません。

処分する際は、まず故人が通っていた教会に相談してみましょう。

状態の良い聖書や十字架、ロザリオなどは、教会で引き取ってもらえる場合があります。

古くなったものや破損しているものについても、教会で適切に処分してもらえることがあります。

教会での引き取りが難しい場合は、一般のごみとして処分することも可能です。

遺品整理業者へ依頼する

宗教物の処分に不安がある場合や、時間的余裕がない場合は、遺品整理業者に依頼することも選択肢の一つです。

ほとんどの業者が、宗教物の扱いに対応してくれるでしょう。

ただし、すべての業者が宗教物の供養手配まで行っているわけではないため、依頼前に確認が必要です。

遺品整理業者に依頼すれば宗教物だけでなく、その他の遺品整理も同時に進められるため、効率的に作業できるというメリットがあります。

まとめ

宗教物の遺品整理について解説しました。

宗教物の処分は、故人の信仰心を尊重しながら、遺族の気持ちとのバランスを考えて進めることが大切です。

自分で処分する場合は、仏教、神道、キリスト教いずれも、基本的には各宗教施設に相談することから始めることをおすすめします。

時間がない場合や処分方法に不安がある場合は、遺品整理業者に依頼することも選択肢の一つです。

「ジャンボコアラ」には、遺品整理士認定協会の地域会員が在籍しており、遺品整理のプロフェッショナルとして協会ホームページにて優良企業として認定されています。

宗教物を含む遺品整理でお困りの方は、どうぞお気軽にご相談ください。