火災ゴミは自治体で回収できる?処分方法や注意点など解説
火事によって発生した大量のゴミを前にして「どうやって処分しよう…」と困っていませんか。
このようなゴミはいわゆる「火災ゴミ」と呼ばれ、家庭ゴミとは扱いが異なります。
処分のために自治体への連絡や、専門業者の手配が必要になることもあります。
この記事では、火災ゴミの具体的な種類や通常ゴミとの違い、処分の流れなど詳しく解説します。
火災ゴミとは?
火災によって焼けた家具や家電、建材、衣類などは「火災ゴミ」や「罹災ゴミ」と呼ばれます。
火災ゴミは、有害物質が含まれていることがあるため、家庭ゴミと扱いが異なります。
多くの自治体で、火災ゴミを通常の家庭ゴミとして出すことを禁止しています。
処分の仕方を間違えると法令違反となる可能性もあるため注意してください。
また、自治体ごとに対応が異なるため、自己判断で処分を進めるのは避けましょう。
火災ゴミに潜むリスク
火災後に残されたがれきや焦げた家財の中には、目に見えないさまざまな危険が潜んでいます。
ここでは、火災ゴミがもたらす主なリスクについて解説します。
有害物質による健康被害のリスク
有害物質が含まれていると健康被害のリスクがあります。
火災ゴミに多い有害物質は、燃焼の過程で発生するダイオキシンや鉛、ホルムアルデヒドです。
また、火災現場が古い住宅であった場合、アスベスト(石綿)を含んだ建材が使用されていた可能性があります。
アスベストは、建材が壊れたり焼けたりすると飛散してしまいます。
有害物質を吸い込むことで、肺や呼吸器に悪影響を及ぼすおそれがあります。
感染症や悪臭・カビの発生リスク
消火活動によって水を含んだ火災ゴミは、時間の経過とともに腐敗やカビの温床となります。
放置すれば強烈な悪臭を発するだけでなく、空気中にカビの胞子が飛び散り、呼吸器系の感染症やアレルギーを引き起こす可能性があります。
火災ゴミの処分方法
火災ゴミは、どのように処分すればよいのでしょうか。
ここでは、主な処分方法について解説します。
自治体へ依頼
火災ゴミの量が比較的少ない場合は、自治体に回収を依頼できることがあります。
まずは、お住まいの自治体の窓口に連絡し、火災によって発生したゴミであることを伝えた上で回収が可能かどうかを確認してください。
「火災ゴミ」であることをはっきり伝えることが重要です。
場合によっては、罹災証明書の提示を求められることもあります。
一般廃棄物収集運搬業の許可業者へ依頼
火災の規模が大きく、大量の火災ゴミが発生している場合は、自治体では対応できません。
その場合は、「一般廃棄物収集運搬業」の許可を持つ業者に依頼します。
火災現場では片付け・分別・搬出・運搬の作業が大きな負担になるため、一括対応してくれる業者を選ぶと安心です。
なお、依頼先が「一般廃棄物収集運搬業」の許可を有するかどうかを必ず確認してください。
無許可業者への依頼は、依頼者側にも責任が問われるおそれがあります。
特別管理産業廃棄物の許可業者に依頼
火災ゴミによっては「特別管理産業廃棄物」に分類されることがあります。
特別管理産業廃棄物とは、爆発性・毒性・感染性など、人の健康や生活環境に重大な被害を及ぼすおそれがある廃棄物を指します。
この場合は、「特別管理産業廃棄物収集運搬業」の許可を受けた業者でなければ収集・運搬できません。
一般廃棄物処理業者では対応できないため、必ず適切な許可を確認した上で依頼する必要があります。
火災保険で処分費用をまかなえる?
火災保険というと、建物や家財が焼失・損傷した場合に保険金が支払われるものという印象が強いかもしれません。
しかし、契約内容によっては処分費用なども補償されることがあります。
次のような補償が含まれている場合、火災ゴミの片付けや撤去にかかる費用をカバーできる可能性があります。
・火災で残った物の片付けに対して支払われる「残存物取片づけ費用補償」
・火災によって一時的な費用負担が生じた際の「臨時費用補償」
ただし、こうした補償がすべての保険に含まれているわけではありません。
火災ゴミの処分費用が補償対象かどうかは、保険会社に連絡して確認しておくと安心です。
まとめ
火災ゴミは、自己判断で処分を進めるのは危険です。
アスベストや有害物質、カビなど、健康への影響が懸念されるものが含まれている可能性があります。
ごく少量であれば、自治体で回収してもらえることもあるので問い合わせてみましょう。
大量に発生している場合や特殊な処理が必要な場合は、許可を持つ専門業者への依頼が必要です。
また、火災保険の契約内容によっては片付けや処分の費用が補償されることもあります。
契約内容を確認し、不明点は保険会社に問い合わせておくと安心です。
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